今日は投票日ですね。今回は争点や判断するべきポイントがあまりに多すぎて、どこに、あるいは誰に投票するべきか迷う方が多いかもしれません。
①政策で選ぶ、②政策の実現可能性で選ぶ、③人物本位で選ぶ、④ダイバーシティを確保するため、若者や女性など、議員として少ない層の人を選ぶ、⑤白票を投じるなど様々かと思いますが、最近ではネット上に投票に参考になるツールがたくさん落ちていますので、これらを参考にしない手はないと思います。→選挙のお役立ち情報まとめ
http://tohyo.org/
また、20代、30代の皆さんにはAERAのデータ(ihayato.newsより引用)は参考になるでしょう。
■世代別人口
これらを掛け合わせて、世代別の投票者数の割合を導きだすと、20代は全投票者数の約9%、30代は約15%ということになります。
…ただ、これらの情報を見て「特に20-30代が無理くり判断して、投票すれば万事うまくいく!」となかなか言えないのも現状です。
なぜなら、①たとえ一人一人がきちんとした判断をして投票したとしても、選挙によって決まった政党の構成や外的要因、その他政治の様々な駆け引きの中で、政策や行動が変わっていくからです。(前回の「政権交代」では、多くの有権者が「自分は正しい判断をした。これから色々なことが変わる」と期待を抱いたはずです。)②それに、20-30代が有権者の中で存在感を出すには、人口構成から言って90%以上の投票率が必要です。
だからといって、投票しないことを勧めているわけではありません。投票は確実に、自分の意志を政治に届け、自分の意志でまちや社会を動かす一つの手段ではあるからです。
大事なのは、投票はあくまでも「一つの手段」であり、選挙後も行動する必要があるということです。
…前置きがすごく長くなりました。ここからは、自分の力で自分好みのまちをつくるための「その他の手段」について書いていきたいと思います。
①投票後も、政治家にものを申し続ける。
自分が投票した政治家を、ウォッチし続けて下さい。そして、自分の意志に反した行動を取り出したら、メールするなり、ブログに書き込むなり、会いにいくなりして、厳しく指摘して下さい。もちろん、いいことをしたら「いいね!」をすることも忘れないで下さい。褒められて伸びる人もいます(笑)。
(少々乱暴に言えば、)政治家はこれまで、「国民の代表者」とされてきましたが、実態は、少数の「声の大きな人」の意見を聞き、その人たちのために利益を誘導する人でした。結果、様々な規制が生まれ、世代間格差/若者世代へのしわ寄せ、そして原発などの問題が生まれました。
でも、自分が実際に政治をやってみて分かったことですが、どうしても政治家が「声の大きな人」に耳を傾けがちになるのも事実です。なぜなら、そこにははっきりと意見や要望がありますし、顔の見える「投票者」がいるからです。気づいた人は、できる限り、声をあげていきましょう。
②政治家が意見を吸い上げる場を利用する
もちろん、「声なき声」に耳を傾けようと頑張っている政治家もいます。佐賀県の武雄市長などはツイッターやfacebookでの意見を市政に活かすと宣言していることで有名ですし、ふと目を転じてみれば、政党も様々な機会を利用してタウンミーティングなどを行っています。そういう場で声をあげるのも一つの方法です。
因みに、私事で恐縮ですが、僕の場合は次の3つの方法で皆さんの意見をまちづくりに活かしています。
A. まちを良くするアイディアをみんなで考えるオフラインの場「みなトーーク!」
B. オンラインの場「Blabo!」http://bla.bo/teams/ecotoshi
※A.Bで出たアイディアを僕が代わりに議会提案しています。
C. 港区の未来をみんなで語り、実現に向けて自分たちの力で動き出すプロジェクト「みなとフューチャーセンター」
③署名に参加する
先日、「green drinks Tokyo(参加型民主主義がつくる未来)」にゲスト出演させていただいたのですが、その際、すごく素敵な活動の紹介がありました。ハリス鈴木絵美さんの、「Change.org」です。
これは、ネット上で署名を集めて、それを行政等に届けるというものです。参加の仕方は、「思いを伝えるために、キャンペーンを開始する」→「つながりをもとに、共感を集める」→「みんなの声を届けて、社会を変える」とあります。
社会を動かす考え方や方向性に対して、賛同したらネット上で署名するだけでいい。議会で受け付けている陳情や請願も、これまで意見を発してこなかった多くの人が利用するようになったら、政治家もそこに目を向けざるを得なくなるでしょう。
④デモに参加する
ソーシャルメディアが一般化したことで、一人の呼びかけに一瞬で人が集まり行動できるようになりました。原発反対の事例を見るまでもなく、これまでなんとなく「過激派」の人たちだけが参加するものだと思われていたデモにも、多くの人が参加するようになりました。
「ただ集まって、叫んでも何も変わらないじゃないか」と思う「活動重視派」の方は、参加する必要はありません。ただ、集まることも続ければ、無視できない大きな声になりますし、ここで意見を表明し、同じ思いをもった人と集まることで、次なるアクションを呼ぶこともあります。
⑤まちづくりの活動に、日常的に参加する
個人的に一番のお薦めがこれです。
僕が政治家を目指すようになったのは、街でごみ拾いの活動をするようになってからでした。街をキレイにするうちに、自分の住む場所がどんどん好きになりました。若者がごみ拾いをするのが珍しがられて、たくさん褒めてもらいました。御神輿や山車の曳き手に誘ってもらったり、商店街を盛り上げるプランを考えさせてもらえるようになりました。そうしたら、まちづくりに深く関係している政治にすごく近くなり、興味を持ちました。発言したら、聞いてもらえるようになりました。
自分たちの住むまちを良くするために、小さな行動を起こすこと。街には参加できる魅力的な活動がたくさんありますし、(NPOなどの活動以外で、町会、商店会、消防団のような昔からあるものも、やってみると実はすごく面白い!)なければ自分で仲間を集めて小さく始めればいいと思います。
⑥政治家になる
NPOの活動を始め、まちづくりの現場で色々な活動を行ってきましたが、やはり政治家が現場で大きな役割と力を持っていることは事実です。会社員でいるより実利は低いのは事実ですが、それを上回る「思い」があれば、思い切って政治家を目指すのもありだと思います。
僕は地盤も、看板も、鞄もないところから立候補しましたが、人に迷惑な選挙カーも使わず、その代わりに政策をつくり込み、まちやソーシャルメディアで訴え、お陰さまで初めての立候補で当選させていただくことができました。
僕は、これからの社会で、政治家に必要な役割もあると思っています。それは、これまで声を上げて来なかった人も含めて、多数の、様々な声を調整し、集約する「ファシリテーター」としての役割、それに何でも政治/行政任せにするのではなく、自分たちで解消できるものは解消しようとする空気をつくることです。別のところで詳しくお話ししますが、故に政治家は「オープンガバメント」を推進するべきだと思います。
方法はあります。(多くの若者が立候補する環境をつくるのが、僕の一つの使命だと思っています。)
ところで、greenz.jp発行人の鈴木菜央さんは言います。
「参加型民主主義は、なにも投票に行くことだけではありません。それは、社会づくりに参加することです。つまり、みんなが欲しいと思う未来をつくることです。」
大切なのは、選挙の後も行動し続けることです。
今日をきっかけに、色々な方法について改めて考え、自分に合ったやり方で行動してみませんか。
■良かったら、こちらにも「いいね!」して下さい。
http://www.facebook.com/ecotoshi.jp
追加です。
②⑤の補足ですが、NPO主催のフーチャーセンター、ワールドカフェなどの地域で開催されるコミュニティ作りイベントに参加する。団体を選べば、なんの不安もない。
同じく、日頃気なるNPOの情報を購読する
さらには、行政や大学が主催するワークショップ(コンセンサス会議や討論型世論調査)に参加する。
自分でFBを使ってワークショップやセミナーの提案をする。あるいは、友達と一緒に相談する。
などなど。
人数はそんなに集まらなくてもいい。数人でもいい。FBなどで告知していけば、必ず人は増える。
投票以外の日常の参加は、とても重要と深く同意して、補足します。
補足、ありがとうございます!そうですね、色々な機会を利用して、まずは身近なところに「参加」してみることが大事ですよね。
ピンバック: 政治・まちづくりを、もっと僕らの近くに。〜2012年の振り返りと決意 | 横尾としなりの会|港区議会議員(無所属)
ピンバック: 参議院選挙の、その先に。 | 港区議会議員 横尾俊成(横尾としなりの会)
ピンバック: 「政治参加」はこれからが勝負。 | 港区議会議員 横尾俊成(横尾としなりの会)
たまたまのぞかせていただきました。政治に声を届ける術が、選挙以外にないのはなぜだろう?そう感じる毎日だからです。
このサイト中でひとつ気になったのでコメントを入れさせていただくことにしました。
投票のツールの一つに「白票を投じる」とあることでした。
社会的参加が可能な世代に与えられる選挙権。今年それは18歳にまで広げられました。まだまだ学生です。親の資金で学校に行き、そのことに「ありがたみ」がわかる子がどれだけいるか分かりませんが、国のお金、自治体のお金、国民の税金でどれだけ生活が支えられているかは知っておかなければ、参加は形だけのものでしょう。
若年層の意見を取り込むべくして改正されたことを(この改正で若者の投票率が上がるはずもありませんが。)考えれば、当然、国が行う政策について少しは自らの考えを政治に反映させることが前提。それが可能な政治家を選ぶということが選挙であることも理解して当然。これは、選挙民全員に言えることだと思うのです。そう考えるとき、投票に行くツールに「白票のまま投じること」が選択肢になるのでしょうか。
わが子も今年2人が選挙権を有します。 投票率を上げるために投票所に行けとは言いません。 投票したい候補者がいないのなら、どれだけ情報を集めても納得する考えを持つ議員に巡り合えないのならば、私は、投票にいかないのも手段だと思います。 投票率は下がっても仕方ないのです。 0増5減の話がありましたが、正直、投票率が低い地域から投票率が高い地域に定数を動かすほうがよいと思います。
それを感じて、候補者は普段から地道に地域の情報を、世代間の格差意見をかき集めればいいのです。
都合が悪くなれば解散する政治など、目的達成のために解散できる政党など誰が支持するのでしょう。
任期前に解散する場合、その政党には比例区での定数を一定率頭打ちにするなど、もっと対策を考えて
税金の無駄遣い(解散総選挙)を無くしていくことが、政治家が取り組む政策の一つだと思います。
すみません。かなり枝葉がついてしまいました。
しっかりと考えを持って、投票に行くなら、候補者の名前を書くべきです。
ご丁寧にメッセージいただき、ありがとうございます!ご意見、もっともだと思いました。候補者が努力するべき部分が大きいことも感じております。ただ、若者が投票に行かないといつまで経っても若者向けの政策や子育て関連のそれが充実しないことも事実です。若者の存在感を示すという意味で、投票率を上げていくことも大切だと思っています。(前提として、きちんとした政治教育をする必要もあると思います。)