特定秘密保護法案から、これからの民主主義をちょっとマジメに考えてみる。


「民意とは、民主主義とは一体何なんだろうか?」と疑いたくなるような特定秘密保護法案の強行採決。僕は身近なまちを盛り上げることが得意だし、区議会議員なので国政のことには口を挟まないと決めているのですが、ついつぶやきたくなりました。

世論は、賛成と反対が真っ二つ。直前に福島で行われた公聴会では、反対意見が多数でした。選挙で選ばれた国会議員による「政治判断」と言えばそれまでなのでしょうか。安倍首相は「議論は尽くした」と言うけれど、国会では、与党も野党も従来の主張をただ繰り返すだけで、議論は一向に深まりませんでした。公聴会も、何のために開かれたのか分かりません。

僕らがいくら意見を言えど、政府には届かない。せっかく僕らの話題になりこれからもっと議論したいのに、そのためのテーブルがない。また、国会議員にすら、一旦提出された法案には修正を加える余地がほとんど残されていない。

今回、たまたまメディアで大きく取り上げられたから注目されているものの、日々、様々に提出される法案の多くは官僚が原案をつくり、議会では少ない時間の議論のうちに採決がなされ、物ごとが粛々と決まっています。各種の議案や行政の施策は、それが議会に提出され、あるいは説明会やパブリックコメントが実施されて公になる頃にはほとんどの内容が固まっていて、修正を加える余地は多くありません。

選挙で選ばれ、民意が反映されているとされる議員が関与する余地が少ないということは、立法府としての議会が機能していないということです。決定プロセスの不備は、民主主義のあり方に関する問題です。

これは、何とかしなければならない。主に若者の政治との関わり方を記した拙著『「社会を変える」のはじめかた』にも書きましたが、改めて、民主主義の「参加」の仕方を議論し、僕らの手で変えて行かなければと思った次第です。緊急時だけでなく、僕らはもっと普段から、政治と向き合っておく必要があります。

…「議会が機能していない」は、やや言い過ぎた表現かもしれません。圧倒的多数の賛成で現政府を誕生させたのも、政治や民主主義のあり方について議論しないのも、まちづくりの現場に普段から参加していないのも、私たち自身だからです。

そんなことを考えつつ、僕は地方議員として、身近なまちでできることをしていきます。今回のテーマは、情報公開とオープンガバメント、住民参加の仕組みづくりに絞りました。11月27日の夕方、議場にて発言します。生中継もありますので、ぜひ見てください。

1. 区財政の透明化について
(1)税金の使いみちを明確に示すことについて
(2)予算編成過程の見える化について
(3)「未来の予算」の公開について

2. 予算編成過程に区民の声を反映させる仕組みについて
(1)区民参加型の行政評価の実施について
(2)区民の日頃の気づきを公共事業の実施に活かす仕組みについて

3. 公共施設の資金計画の一部にクラウドファンディングを導入することについて

4. まちの人の意見を有効に活用する仕組みづくりについて
(1)パブリックコメントで投げかける質問を具体的なものにすること
(2)タウンフォーラムなどにファシリテーターを導入すること

5. 区民の声を計画策定前の早い段階から拾い上げる試みについて

6. 若者の意見や「声なき声」を区政に活かすことについて
(1)ツイッターなどのアカウントを各部署単位で作成・運用すること
(2)区としてソーシャルメディアポリシーを策定すること
(3)シチズンシップ教育の充実化を図ること
(4)行政計画の策定時に子どもの意見を取り入れること

7. オープンガバメントの推進について
(1)民間主導のアプリ開発を促す施策について
(2)オープンガバメント推進の担当課を設置することについて

8. 地域運営組織の新設と地域コーディネーターの設置について
(1)地域運営組織の新設について
(2)地域コーディネーターの設置について

無関心が、もっとも怖い。

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(2013年11月27日18:55追記)

議会での提案が終わったので、原稿を全文アップします。
お時間のある時に読んでいただき、意見をいただけると幸いです。

131125平成25年第4回港区議会定例会(最終版)

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