防災とITの可能性。


日本危機管理学総研の勉強会「大災害発生時における情報コミュニケーション~大震災時、ITは何ができていたか。これから何をすることが必要か~」に参加してきました。学びが多かったので、横尾の意訳や意見を交え、少しご紹介します。

①Windows95の発売は阪神大震災の後、twitterやfacebookはつい最近。
→ITはどんどん進んでいく。技術面でも、サービス面でも、ユーザーの意識面でも。ネットの中で「自分が特定されてもいい」という流れになったのはここ数年のこと。そのことを前提に、利用方法を考えなければならない。

②東日本大震災時に機能した連絡手段(ツイッターなど)は米国のサービスだった。
→東日本大震災の直後、海底ケーブルが複数切断されていた模様。今回、米国のサービスが利用できたのは運が良かったが、国内でのメジャーサービスやインフラの確立が早急に求められる。衛星利用も検討するべき。

③緊急時のためにつくられた専用のインフラがない。
→営利目的のシステム(通信やSNSなどのサービス)は、緊急時用につくられているわけではない。また、緊急時のインフラ対策やアクセス数の予測からシステムを用意しているわけではない。震災時のみのサービスは普段使わないため、必要な時に気づかない場合も。

④万人にアプローチできるITサービスなど存在しない。
→家族、会社、友人・知人など、自営のためには、コミュニティ毎にITの活用の仕方を確認し合うことが必要。(避難訓練時には情報共有の仕方も訓練する必要がある!)地域情報は、twitterの地域ハッシュタグなどが有効。

⑤各種デバイスは、使い方の周知やエラーが起きない仕組みがなければ、震災時、ただの箱となってしまう。
→東日本大震災後、町会や自治会にiPadなどのタブレット型端末を無償で貸し出す市区町村は増えてきている。情報のやり取りをハガキなどのアナログの手段のみで行うと、やり取りに非常に時間がかかる。iPadはそれを大幅に改善してくれる。ただ、それを使いこなすためには、情報ボランティアの力が必要。災害時の情報活用に長けた人を、地域の中で育てることも大事。ボタンを押せば災害時に自動的に災害情報サイトにつながる携帯の開発なども検討するべき。

…行政がやるべきは、情報の「オープン化」を進めた上で、災害に強いITネットワークの確立や情報を集約するプラットフォームなど、基本的なインフラを整えること。民間はその上に、日常でも使える便利なサービスをどんどん載せていくこと。両方が大切だと思いました。

■今日の学びも参考にしながら、現在、2月の定例議会に向けて提案内容をスタッフ一同で詰めているところです。「こうすべし」というアイディアがあれば、ぜひぜひお寄せください!今後とも、どうぞ宜しくお願い致します。

■3/17: Tokyo Community Crossing「あなたとつくるこれからの自治」
http://communitycrossing.net/
コミュニティデザイナーの山崎亮さん、greenz.jpの兼松佳宏さん、NPO法人GoodDayの荒昌史さんらとパネラーとして参加します。

■ご意見、感想などいただけると嬉しいです。→ Twitter: @ecotoshi, facebook: 横尾俊成& 横尾としなりの会

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