今日は追悼の日。
思えば、それまで世界に対して何も考えていなかった自分が国際問題を意識し、行動し始めたのは、あの9.11がきっかけだった。
当時は就活を控えた大学3年生。アメリカからの留学から帰ってきたばかりだった。友人の親類を亡くしたのにも関わらず、何もできない自分に嫌気がさした。
無力。
就活なんかしている場合じゃないと感じ、イスラムを勉強するべく大学院に行った。マレーシアの首相が来日した時のシンポジウムで、たまたま隣に座った中国人の留学生と話し、自分がやるべきことがぼんやり見えてきた。
彼らとともに「世界の若者による対話-RING」という団体をつくり、「世界学生会議」を開催した。アフガニスタンやアメリカをはじめとした紛争地域の若者を日本に集めて、1000人の若者とともに「自分たちが出来ること」やアクションプランを話し合った。イベントをつくる過程でたくさんのNGOに出会い、日本にもたくさんの素晴らしい団体があることを知った。
「せっかくのいいことも、それを伝える努力をしなければ、小さな運動や自己満足で終わってしまう。だから人もお金も集まらないんだ。」自分なりにNGOの問題点を考え、コミュニケーションという「武器」を身につけるために、広告会社の博報堂に入った。
博報堂で広告を学び、ソーシャルビジネスを志向する傍ら「社会参加のハードルを下げる」活動に可能性を感じ、後輩らとともにNPO法人グリーンバードを始めた。そして、次世代に素敵な日本を残すためには、若者が立ち上がらなければならないこと、それに、街には自分たちの居場所がたくさんあることに気付いた。
そして、批判ではなく、アイディアで地域を盛り上げる「街のプロデューサー」になるべく選挙に立候補した矢先、あの3.11が起きた。
直後から被災地に何度も入ったが、 10年前と違い「武器」は持っているのにも関わらず、選挙で思うように動けない自分にまたも嫌気がさした。
その時の葛藤が今の被災地支援活動の原動力なっていることは講演やブログでも述べているが、ともかく、自分にとっては9.11も3.11も人生の転機と言える大きな出来事なのだ。
グローバルな問題に対し、ローカルに、自分ができる小さなことから始めること。迷ったら、全部やる。自分に嘘をつかない生き方をすること。ーそれが、僕が決めた行動原則。
小さなことも、仲間とやれば、またきちんと伝える努力をすれば必ず大きな運動になる。巡り巡ってきっと誰かの役に立つ。ーそれが、僕の信条。
これから10年、20年。またこの日を迎えた時、自分は何をしているんだろう。また、何に貢献できているんだろうか。
そんなことを考えつつ、一日一日を大切に生きることを、今日ここに誓う。