自分に正直に生きたい。だから、僕は被災地に行く。


震災から4ヶ月あまりが過ぎた。
最近、ようやく「あの時の判断」は間違ってなかったと思えるようになった。

あの時の判断—。

3.11は、自分にとって初めての選挙戦の、真っただ中だった。

「若者がもっと政治や街づくりへ参加しやすい仕組みをつくりたい」。そんな思いで大好きだった博報堂を辞め、国内外32カ所で街づくりを行うNPOグリーンバードへ。そして、自分の住む街がどんどん好きになって、港区から選挙に出ることを決意した。

とはいえ、選挙に関してはド素人。右も左も分からないまま、多くの仲間、熱い学生のサポートを得て、手探りで闘いを続けていた。

そんな中、自分が経験したことのない大きな災害が起きた。多くの方の命がそこで失われてしまった。

アメリカ留学後、9.11で近しい人が亡くなったことがきっかけでNPOの世界を志し、イベントに明け暮れ、モラトリアムの大学院時代を過ごした僕が、この大災害時に何もしないでいる・・・あり得ない。すぐにでも被災地に飛んでいきたかった。

自分を曲げてまで選挙を続けることに何の意味があるのか。活動をしながらも気持ちはそっちの気で、ひたすらツイッターで情報を集めまくった。物資や寄付を集めまくった。そんなことをしながら、自分がここから離れる理由を探していた。政府のNPO連携室に入ることや企業の被災地支援チームに入ることなど、いくつかの話もいただいた。

だんだん、決断できない自分に嫌気がさしていった。

そしてついに、半べそをかきながら、近しい奴にだけこっそり打ち明けた。「ごめん、俺、選挙辞めようと思う」。彼は言った。「俺はいいよ。でも、もうこんなにたくさんの仲間が応援してくれている。彼らの思いはどうするの?港区からできること、議員という立場だからできること、後でゆっくりできることもあるんじゃないか」。

「仲間は裏切れない」—ミスチルの「HERO」を死ぬほど聴いた。

後で全力でやればいい。
悩んで悩んで、そういい聞かせて、僕は「全部やる」道を選んだ。

…だから今、あの時何もできなかった、その思いをはらすため、僕はボランティアツアーを続けている。震災以来、二週間に一度は被災地へ行っている。教育、雇用・・・新しいプロジェクトも、考えている。また、港区議としては、「防災・エレベーター特別委員会」に入り、港区の防災対策、港区から発する防災対策についていろいろ提案している。人一倍勉強し、政治でできる最大限のことをしようと思ってもいる。

正直、あの時選挙を辞めてすぐ被災地に行かなかった自分には、まだがっかりしている。カッコ悪すぎる。労働力しかない若者に過ぎない僕が、一番人手が必要な時を過ぎて、後でどうしろと?自分は何様?高見の見物?ずっと葛藤していた。今でもそうだ。

…だから今、僕は贖罪の気持ちを抱えながら、まだあり余っている労働力を少しずつ消化している。結局は、自分の気持ちをはらすため、あの時隠してしまった気持ちを吐き出す意地なのかもしれない。

でも、実際に何度か被災地に行ってみて、これだけは言える。

・悩むより、中途半端でいるより、動いた方がいい。
・被災地で求められていること、提供できる労働力は、まだまだたくさんある。
・自分にもできること、あるいは自分にしかできないことも、たくさんある。

仲間は、何よりも大切だ。
そして、自分に嘘はつかない方がいい。

ぜひ、僕と一緒に被災地支援に参加して欲しい。汗をかき、ずっと行動していく仲間を、募集しています。

■ 高橋歩さんとのイベント
いろいろな復興支援のかたち-ON THE ROAD
「自分に正直に生きる」。
7月30日(土)18:00-20:45@早大。参加費無料。
http://t.co/1HupZ0c

■ グリーンバード被災地支援ツアー
7月8日(金)〜ほぼ隔週でずっと。参加費4,000円。
http://bit.ly/qGG5DP

and more…これからも、新しいこと、どんどんやっていきます。

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