政策・ビジョン

港区が抱える問題って、なんだろう?

問題1

港区の歳入はこれまで、多くの企業からの税収に支えられてきました。
しかし長引く不況の影響で、平成21年度の当初予算が約1323億円だったのに対し、平成22年度のそれは約1085億円。実に18%近くの落ち込みになっています。
これは、これからの子育て支援や福祉サービスなど、私たちの生活にも影響が出る水準です。

※一部数値に誤りがありましたので訂正いたしました。(2011/03/01)

★ 私の捉え方
港区でも歳入が減り始めており、放っておけない状況です。
現在の水準を維持するには、今からムダを省くための取り組みを始める必要があります。

解決策1

お金がたくさんある時代のバラマキ型の政策・ハコモノ行政※は、もう辞めます。何のしがらみのない新人という立場で、今の予算の使い方や事業主体、事業のあり方を検証するプロジェクトチームを組みます。他の地方自治体での成功例も参考にしながら、国だけではなく地域レベルでのムダを省く努力を徹底的に行います。企業に勤めていた者としての目で、行政、企業、NPO、どこがその事業をやれば最も効率がいいのかを考え、事業主体を必要に応じて大胆に行政から民間に移していきたいと思います。

※ハコモノ行政・・・公共の目的で施設をつくったのにも関わらず、その計画や運用が失敗している行政。


問題2

たとえば、町会の「青年部」が40代、50代で構成され、組合へ入会する人や御神輿の担ぎ手を集めるのに苦労している一方で、実に6割を超える若者が「機会があったら、社会貢献活動に参加してみたい」と答えている調査結果もあります。このギャップを解消すれば、街はもっと元気になります。例えば、明治学院大学と高輪地区の関係のように、大学のボランティアセンターが中心となって学生と地域のNPO、それに商店街をつなぎ、街を活性化しているケースもあります。また、街づくりに関わりたいと思っても、家賃が高いために港区に住めない学生や社会人がいることも事実です。ここには改善する余地があります。

★ 私の捉え方
事実、人手は不足しています。
でも、一方で社会貢献のために動きたいという人が増えていることも忘れてはいけません。
解決への糸口を、若者を巻き込んだ成功例などに見出しています。

解決策2

商店会や町会の人手不足に「社会のために何かしたい」と考えている人たちの需要を組み合わせ、街の抱える課題を解決し、新たな街づくりに取り組む場「みなと学舎(仮)」の設立を検討します。


街の人や学生、またそこで働く社会人、外部の著名人が同じテーブルについて港区の街づくりのあり方を検討し、そこから新たなプロジェクトを興すための会議体を創設し、みんなの力で街を盛り上げていきたいと思います。


卓越したアイディアと様々な方法で住民参加の街づくりをしようとしている企業やNPOなどを積極的に誘致・支援していきます。
それが、未来にわたって持続していく街の大きな構成員となりうるからです。


大学などと連携し、ボランティアをした若者には単位などを与えて、彼らに積極的に街づくりに参加してもらえるようにします。


この街で働き、街づくりに関わっていこうとする起業家や学生に対し家賃を補助したり、区の遊休地を貸し出したりします。将来的には、税や創業環境の整備も含めて彼らを応援していきたいと思います。若い世代のコミュニティー参加を促しつつ、「社会起業家※」がたくさん生まれ、育つ街をつくります。

※社会起業家・・・貧困、環境問題など、社会の課題を事業によって解決する人。


問題3

港区には都内でも高水準の子育て環境があります。しかし、人口増加等に伴い、待機児童問題は、まだまだ解決されていません。施設も保育士も足りず、待機児童率が都内でワースト1位となっている状況は早く改善しなければなりません。また、子育てはその質をどのように維持していくかも大切です。そこには親や地域に住む大人の力が最大限活用される仕組みや場づくりが必要だと考えます。もう一つ、外国の方がたくさんいる港区だからこそ実現できる幼い頃からの国際交流体験も、環境が整えば十分可能だと考えます。(港区の人口約20万人に対し、外国人の方は約2万人。1割も占めています。)

★ 私の捉え方
対応を急がなければならない状況。
地域のみんなで子どもを見守る仕組みをつくることに可能性があると思います。

解決策3

保育園の新設と認可数の増加、保育士さんの待遇改善、育児休業制度の充実で、待機児童数をゼロに近づけます。また、廃校などの空きスペースを開放してそこに子育てに携わる企業やNPOの参入を促すなど、今ある資源を有効活用します。


地域のみんなで取り組む子育てサポート「子むすび(ファミリーサポートセンター)」や、学校運営の一部を地域住民に任せる「コミュニティスクール」の拡充など、新しい子育てや教育の方法は、利用者が使いやすいように改めます。


子どもが伸び伸びと遊び、発想力が刺激されるような新しい形の公園づくりを検討します。子どもは友だちや大人など、様々な人とのふれあいや自然との親しみを通して成長するものだと思います。もし身近にそんな公園があれば、子どもはゲームを置いて、外に駆け出していくのではないでしょうか。たとえば、渋谷区の代々木公園内にある「はるのおがわプレーパーク」のように、地域の大人みんなが見守りつつも「自分の責任で自由に遊ぶ」、やんちゃし放題の公園って魅力的ですよね。


スポーツチームやタレント事務所、それに外国からの方が多い港区ならではの特徴を活かして、教育現場に彼らの力を活用していきます。野球教室やサッカー教室、著名人による授業、外国の方とともに街を考える「地域の時間」などもあったら、子どもたちは大喜びです。


もちろんペットも大切な家族です。一緒に過ごせる空間をつくりたい。マナーの行き届いたドックランやカフェを増やします。

問題4

お年寄りの中には、社会と積極的に関わる意欲を持った「アクティブシニア」の方が大勢いらっしゃいます。しかし、そんな人たちの生きがいを育て、仲間との交流をつくる環境は、必ずしも整っているとは言えません。お年寄りの力が社会に還元される仕組みが出来れば、社会で孤立し一人で過ごさなければならない「無縁社会」問題なども、解決できるかもしれません。

★ 私の捉え方
まだまだ解決されていません。
でも、彼らの力が活きる場があれば、状況は好転すると思います。

問題4

お年寄りの方々とその家族を支える様々な施設やサービス(ユニバーサルデザイン※を取り入れた施設、緊急通報・連絡システムの整備、介護家族の相互交流の場の提供など)を充実させます。


お年寄りの方々にいつまでも元気でいてもらうことは、街にとってもすごくありがたいことです。スポーツの力を利用して様々な人々との交流を生み、お年寄りの方々の健康を維持していきます。スポーツの講座や大会を充実させます。65歳以上の区民の方がスポーツ観戦をする場合は、その料金を半額にするだけでなく、お孫さん一人につきその料金を無料にします。


「アクティブシニア」の方々には教育や地域活性などの分野で、これまでの知識と経験が生きる場をつくります。例えば、「アクティブシニア」の方々の力をお借りして保育現場の人手不足を補う、お年寄り大活躍の子育て施設の設置と拡充を検討します。お年寄りに関わっていただくことは、昔の学びや知恵、地域の話を子どもたちに伝え育てていくことにもつながります。


また、それらの取り組みを多くの人に知ってもらう仕組みもつくります。そのことで参加のきっかけを促し、社会から孤立するお年寄りを一人でも少なくします。

※ユニバーサルデザイン・・・文化や国籍の違い、性や年齢、障害や能力の如何を問わずに利用することができる施設などのデザイン。


問題5

港区には多くの企業がありますが、港区ならではの産業が育っているとは言い切れません。でも実は、先進的な施策は積極的に導入されています。たとえば、港区の環境への取り組み(資源ごみの分別回収、みなと環境にやさしい事業者会議、エコプラザなど)。これらの活動を活用する仕組みがあれば、ここから新たな産業を育てていけるかもしれません。昨年、僕はアメリカのボールダー(ロハス※発祥の地)で環境行政を学んできました。ボールダーでは、個人・団体・企業がそれぞれアイディアを出し合い、街の清掃、徹底したリサイクルやごみを出さないための工夫をしています。また、ソーラーパネルの設置や環境に配慮した製品の開発なども行っています。行政はこれらの活動を強力にバックアップし、環境産業の育成にとても力を入れています。人にも環境にもいいこと、そこにお金は自然と集まるのだと思います。

※ロハス・・・健康や環境問題に関心が高い人のライフスタイル

★ 私の捉え方
未来にわたって税収を確保するには、港区ならではの新しい産業をつくることが大切です。
例えば、環境問題はそれを解決することでお金を生み出すこともできます。

解決策5

港区は環境に配慮した様々な取り組みを行っていますが、それをビジネスにつなげ、一大産業に育てることに挑戦したいと思います。既に始まっている屋上緑化に対する助成を推進するとともに、ソーラーパネルやスマートグリット※などの新しいシステムを取り入れます。そうすることで、新たな雇用も創出します。また、海外の有力なベンチャーを招き、日本での事業をサポートすることで、彼らのもつ新技術を取り入れていきます。


産業を育てるには、個々の企業を伸ばすことも重要です。環境ビジネスで最先端を行くボールダー市と連携し、大学の持つ技術力、企業の資源と経営能力、そしてボランティアの力を活用し、みんなの力を集めて街じゅうで環境企業を応援する仕組みをつくりたいと思います。


これらの取り組みを積極的に国内外にアピールし、港区を日本の環境先進区として目立たせていきたいと思います。結果、継続的に産業が育つほか、高層ビルには都市の様々な機能が集中し、他の住宅地では緑があふれ、景観が保たれることにもつながります。


もちろん、環境問題を解決するための一人ひとりの取り組みも必要。個人・団体・企業がそれぞれの立場で、少しずつ努力して、アクションを起こすためのサポートも行っていきたいと思います。

※スマートグリッド・・・省エネやコスト削減などのため、電力供給を必要に応じて調整できるようにした電力網。